“ よき友人”としてキキのそばにいた黒猫のジジ。プロデューサーの鈴木敏夫さんが『ジブリの教科書』で語った「喋らない」理由とは ?
スタジオジブリのアニメ映画『魔女の宅急便』が、3月22日21時30分より「金曜ロードショー」(日本テレビ系)で放送されます 。
ここでは主人公・キキのよき相方として登場する黒猫のジジにまつわる裏話を紹介しましょう 。
“よき友人”としてキキのそばにいた黒猫のジジ。プロデューサーの鈴木敏夫さんが『ジブリの教科書』で語った「喋らない」理由とは?
※以下、作品の終盤についてのネタバレがあります 。
猫のくせにどこか人間臭く、キキのよき相方として寄り添う黒猫のジジ 。
ジジは人間の言葉を話しますが、生まれつき“喋れる猫”だったわけではなく、喋れていたのはキキの魔法によるものでした。キキはジジ以外の動物とは話すことはできず、ジジもキキ以外の人間と話せません 。
一人前の魔女になるべく、海辺の街・コリコで奮闘するキキですが、ある日魔法の力が弱まりジジの言葉が分からなくなってしまいます 。
最後はキキが魔法の力を取り戻して、ようやく元通り … … と思いきや、ジジとは話せないまま。終盤は“普通の”猫になってしまったジジの姿に悲しさや寂しさを覚えた方も多いのではないでしょうか ?
一体、なぜ“よき友人”だったジジが普通の猫に戻ってしまったのか ? その真意は『魔女の宅急便』のプロデューサー補佐をしたスタジオジブリの鈴木敏夫さんが語っていました 。
「もう一人の自分」。ジジの持つ役割とキキの成長
『 ジブリの教科書5 魔女の宅急便』(文春ジブリ文庫)に掲載されているインタビューで、鈴木さんはこう語ります 。
「 思春期について考える中で、ジジの役割もすごくはっきりしていきました。あれはただのペットじゃなくて、もうひとりの自分なんですね。だからジジとの会話っていうのは、自分との対話なんです。ラストでジジとしゃべれなくなるというのは、分身がもういらなくなった、コリコの町でちゃんとやっていけるようになりました。という意味を持っているわけです 」
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使い魔として、そばにいたジジはただのペットや友達ではなく、“もうひとりの自分”だったとは …… 。
出会いや別れを繰り返す多感な思春期になぞらえたメッセージが込められていたのですね 。