アーティストの市原えつこさんがSNSに投稿したテクニックが「絶大な効果あり」と反響を呼んでいます。「味気ないスマホの画面に比べて現実はかなり色鮮やかに見える」と市原さんは振り返っていました 。
つい暇さえあればスマホを見てしまう … … 。すっかり「スマホ漬け」の生活になっているあなたに朗報です。ちょっとした工夫で、スマホ依存を避けられるライフハックがSNSで話題になっています 。
これはアーティストの市原えつこ(@etsuko_ichihara)さんが3月9日、X(旧Twitter)に投稿したものです。「スマホ見る時間を減らそうと思い、iPhoneを白黒設定で使ってみてます」と、実際にモノクロ画面になったiPhoneの画面と、その設定方法を解説しました 。
「やってみたんだけど、絶大な効果あり」などと大きな反響
この投稿は6000件以上の「いいね」を集めました。実際に試してみたとみられる人から「効果的だった」とする多くの反響が寄せられました。 💬 「これ最高、笑える位スマホ見たくなくなる 」
💬 「 頭がすごく楽。強い色に誘導されない 」
💬 「 これ息子もやってる。スマホで必要以上に時間を溶かさないように。受験生おすすめ 」
💬 「 これやってみたんだけど、絶大な効果あり。色ってものすごく魅力があるものなんだなぁって思った」一方で「白黒のTwitterおもしろすぎる!!!!となり、めちゃくちゃ色のないスマホを見てしまう」「だめだ、普通にYoutube楽しめちゃった」と、あまり変化がなかったとの意見もありました。市原さんの投稿を元に、筆者も実際にiPhoneをモノクロにしてみました。手順はわずか3ステップ。以下の通りです 。
1. iPhoneの「設定」のアプリを開いて「アクセシビリティ」 をタップ
2. 「画面表示とテキストサイズ」をタップ
3.「カラーフィルタ」を「オン」にして「グレイスケール」にチェックを入れる
かなり味気ない画面に。Androidでも設定する方法があります
これでiPhoneの画面が白黒表示になりました。X(旧Twitter)もFacebookもInstagaramもLINEなどのアプリはおろか、壁紙や写真まで全部白黒 … … 。確かに普段のカラフルな画面に比べると味気ない印象があります。ちなみにAndroidのスマホでも同じように白黒設定する方法があります。Android公式サイトによると、その方法は以下の通りです。1.「設定」のアプリを開く2.「ユーザー補助」→「色と動き」→「色補正」をタップ3 . 補正モードで 「 グレースケール」を選択4.「色補正を使用 」 をオンにする
スマホ見る時間を減らそうと思い、iPhoneを白黒設定で使ってみてますすんごいつまらなくなるからオススメiPhone設定画面の > アクセシビリティ > 「視覚サポート」の『画面表示とテキストサイズ』 > 「カラーフィルタ」でいじれるpic.twitter.com / PuXB6zszTO
スマホで「時間を無駄にしているな」という思いがあった。市原さんとの一問一答
BuzzFeed編集部は今回のテクニックを投稿した市原さんに取材しました。――今回の方法は友人から教えてもらったとのことですが、どのような流れでそうした会話になったのでしょう?友人が『ドーパミン中毒』(新潮社)という本を読み、「SNSを見ている時間は常に頭からドーパミンが出ている」と知ったらしく、脳や自律神経を休めるために情報端末をモノクロにしてみたら本当にX(旧Twitter)もYoutubeもTikTokも面白くなくなった、と話していました。さらに常習的にSNSをダラダラ見る時間は無駄だからXはアプリから消したし、PCでXにアクセスしようとするとアクセスブロックされる設定にしたそうです。一応自分は仕事の告知でXを使うことはあるのでアクセスブロックまでは取り入れなかったのですが、画面モノクロはいいなと思い真似してみました。友人はAndroidで、自分が使っているiPhoneにはこのような設定はないかも、と言っていたのですが、探したらアクセシビリティ設定の枠にありました。――市原さんが「スマホ見る時間を減らそう」と思ったのは、どんな理由からでしょう?SNSをやっていると、現実世界では何も生産していないのに何かをやったような気になってしまい、時間を無駄にしているな、という内省があったため。さらに、Xの最近のプラットフォームが、多くの人が感情的に反応しているインプレッションの高いポストを優先的に表示するアルゴリズムになってしまい、本来興味のないことに時間を無駄にする作用がより高まっているのを感じていました。――白黒設定に変えたところ、どんな印象を受けましたか?とにかくつまらない。まったく感情が動かされない。普通にスマホをいじってると刺激過多で、ドーパミンどばどば出て依存してしまう感覚があったのですが、白黒になると視覚的な刺激が減ってほどよくつまらなくなりました。食べ物の写真もまったく美味しそうに見えないし、商品画像もよくわからないし、あらゆる欲望が喚起されない。文字ベースのXはまあそれなりに見れますが、写真ベースのInstagramは特に絶望的につまらなくなりました。味気ないスマホの画面に比べて当たり前ですが現実はかなり色鮮やかに見えるので、「もともと情報端末との関係性なんてこれぐらいでいいんだよ」という気持ちになりました。画面内の世界が、生き生きと刺激をもって脳に訴求しすぎていたことに気づきました。――実際に閲覧時間は減ったように感じましたか?具体的には測定できていませんが、減っていると思います。画面がモノクロになることにより、無意識的に「これはどうでもいい情報だ」と脳が判断している感覚があります 。
市原えつこさんのプロフィール
アーティスト。1988年生まれ。早稲田大学文化構想学部表象メディア論系卒業。2016年にYahoo ! JAPANを退社し独立、フリーランスに。日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品で文化庁メディア芸術祭優秀賞、アルスエレクトロニカで栄誉賞を受賞。2025大阪・関西万博「日本館基本構想事業」クリエイター。近年の主な展覧会に「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館)等。現在、東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻に在学中。公式サイト:https://etsuko - ichihara.com